未経験のITエンジニア転職が難しい理由は?企業の気持ちを考えて成功させる方法
- 未経験でITエンジニア転職は難しいと聞くけど本当?
- 30歳を超えている私はITエンジニア転職を目指しても無駄?
- 未経験でITエンジニア転職を目指すならどうしたらいい?
世間でも言われている通り、未経験のITエンジニア転職は難しいです。
なぜならば、ITエンジニアは経験者優遇の傾向が非常に強いからです。
実際に私も初めてITエンジニア転職を志した際は、書類選考で何十社と落ちていました。
しかしその後、視点を変えて再度転職にチャレンジしたところ、3社のITエンジニア職の内定をGETすることができましたので、その方法も合わせてお伝えいたします。
未経験のITエンジニア転職が難しい理由は3つ

ITエンジニアの募集には、このように経験者のみを対象としたものが非常に多いです。
未経験歓迎としている場合も、書類選考で落とされたり、面接を受けてみるとITエンジニアではなかったということもあります(経験済み)。
30代未経験でのITエンジニア転職が難しいのには次のような理由があります。
- 既に得意分野を持っている即戦力を求めて採用活動をしているから
- 未経験だとエンジニアとしての素質があるかもわからないから
- 未経験ITエンジニアの実力を測るための材料になる資格などがないから
既に得意分野をもっている即戦力を求めて採用活動をしているから
ITエンジニアに求められるスキルは職場によって異なります。
例えば新しくクラウドコンピューティングのサービスを開発したいのであれば、クラウドコンピューティングに長けているエンジニアを雇いたいと考えます。
前提の状況があり、そこに経歴やスキルがフィットするエンジニアを求めて企業は人材募集をかけています。社員を教育して1年後に開発ができても意味がないので、即戦力が欲しいのです。
ITエンジニアは、とりあえず今の経営がうまくいっているから頭数を増やそう、で増やすようなものではありません。
このような背景があるので、残念ながら得意分野もなく、まだ一人では何もできませんという人を雇用することは少ないのです。
未経験だとエンジニアとしての素質があるかもわからないから
ITエンジニアは個人の適性によって成長速度や人材としての価値が大きく異なります。適性がない場合は3年経っても使い物にならないということも多いです。このようなハズレ人材を引くリスクが不安なので、企業は未経験者を雇うことに慎重になります。
日本市場ではITエンジニアの人材不足が問題視されており、求人倍率が低いです。それにも関わらず、未経験転職ができない理由は、企業側のリスクの視点で考えるとわかりやすいです。
未経験エンジニアが採用されるには、このような企業の抱える不安を打ち消すのが肝心です。

未経験なのに実績が必要・・・?

未経験ITエンジニアの実力を測るための材料になる資格などがないから
英語であればTOEIC、経理であれば簿記のような、能力の担保となるような資格はありません。企業は資格で候補者の能力を客観的に測ることができないのです。
LPICのような未経験者が目指しがちな人気の資格もありますが、私はおすすめしません。LPICはLinuxOSの仕組みや使い方を学習するものであって、プログラミングの本質ではないからです。つまり、企業に対して「この人なら未経験でも大丈夫そうだ」と思わせるような材料にはなりません。
ITエンジニア採用においては、実経験以上に能力を示して安心感を与えられる要素が存在しません。これが未経験者には強い逆風となります。

未経験でITエンジニアになるには、まずはITエンジニアになって実経験を積めばいいんだね!…って、あれ!?
未経験からITエンジニアにはなれます!ポイントは企業側の不安を打ち消すこと!

やっぱりITエンジニアになるなんて無理そう…
未経験でもITエンジニアになることは可能です。未経験の採用が難しい理由がわかったのなら、対策をすればよいからです。
具体的な方法を3つ紹介します。
- プログラミングの勉強法はいくらでもある
- 今の会社で働きながら実経験を作ってしまう
- 経験をプログラミングと掛け合わせた独自の強みに変換する
プログラミングの勉強法はいくらでもある
- インターネットの初心者用学習サイトを使う
- YouTubeなどの動画で学習する
- プログラミングスクールを活用する
独学で身に着けることもできます。YouTubeは本当に有益な動画が多いのでオススメです。
何から始めたら良いのかわからない、最短距離で本気で取り組みたいといった人は、プログラミングスクールで初めてみるのもオススメです。
今の会社で働きながら実経験を作ってしまう
何らかの方法で勉強したあとは、その知識を用いて今の会社で何か作れないかを考えてみてください。
未経験の人がPythonやRubyで何かを作れと言われても何をどうすれば良いかわからず途方に暮れることでしょう。IT企業でもなければプログラミング言語とは無縁ですからね。
しかし恐らくほとんどの会社でエクセルくらいは使っているのではないでしょうか。
- エクセルで見積書を作っている
- エクセルで案件管理をしていて転記作業がある
このような業務がある場合はチャンスです。
エクセルにはエクセル特化のプログラミング「VBA」という機能があります。今の業務にも毎日or毎月の繰り返し作業があるはずです。こういった定型作業をVBAで自動化させるのです。
私の場合も、見積書作成や転記作業を自動化させ、月に数十時間の業務を削減しました。
- ITエンジニアとしての適性
- 課題を見つけて問題解決を考える能力
これにより、上記の証明になり、採用活動をする企業の不安を軽減させられます。
VBAエンジニアの募集なんて少ないんじゃないの?と心配になるかもしれませんが、VBAを学んだからといって、VBAエンジニアにしかなれないわけではありません。
プログラミング言語は記法や細かい機能が違うだけで骨子の部分は同じだからです。
VBAで何かを作ったという実績は、その他のメジャーな言語(Python等)も習得して活躍することが可能であるという証明になり、採用企業の不安軽減材料になります。

Googleスプレッドシートがメインの場合は、GASという機能でVBAのようなプログラミングができるから試してみてね
自分の経験をプログラミングと掛け合わせた強みに変換する
未経験ITエンジニアだからこその、ITエンジニア一筋でやってきた人に勝てる要素を探しましょう。スキルは掛け合わせて真価を発揮します。
組み合わせ例 | ITエンジニア一筋にはない強み |
---|---|
営業職×プログラミング | 高いヒアリング能力で問題を見つけたり解決策を提案する能力が期待できる |
リーダー経験×プログラミング | プロジェクトマネージャーとして監理・調整の能力が期待できる |
部下育成の経験×プログラミング | チームを統率する管理職としての能力が期待できる |
共通して重宝される能力はコミュニケーション能力です。
上場IT企業でも、コミュニケーションが課題となっている職場は多いです。よって、営業や顧客と円滑なコミュニケーションができるITエンジニアを探していることが多いです。
このようなITエンジニアであれば、未経験の強みを活かせるので、現職の経験にもアピールできるところがないか探してみてください。
未経験の不安材料を消しつつ、企業がもつ人材の穴になっている部分にフィットできれば採用される可能性が高くなります。
未経験からのITエンジニア転職を成功させるためには、まずは効果的な方法を知ることから
未経験からITエンジニア転職を成功させるためには、以上のような採用する側の事情や心境を知り、そこに対してどうすれば自分に価値を見出してもらえるかを考えることが肝要です。
私が初めて未経験のITエンジニアとして採用された時はこのような状態でした。
- 35歳
- IT企業経験なし
- 部下育成経験あり
- VBA、GAS、Accessにて独学でツールを作成・実用化した実績あり
この時、2か月ほどの転職活動で、上場企業2社、中小企業1社から内定をいただきました。
実は31歳の時にも未経験ITエンジニア転職に挑戦しているのですが、その時はどの企業にもITエンジニアとして採用してもらえませんでした。
これは実経験と他スキルとの組み合わせによって、採用する側の不安を減らすことができた結果です。
まずは準備から着実にしていきましょう。
Q&A 未経験ITエンジニアに関するよくある質問
ITエンジニアの仕事は難しい?
A:難しいです。最初が一番つらく、慣れてくると楽しいが上回ってくるので気にはならなくなります。
ITエンジニアの仕事を難しくしている要素は次のようなものがあります。
- 専門用語が多い
- 直観で理解しにくい概念が多い
- 色々なシステムを覚える必要がある
とにかく覚えたり勉強することが多いんですよね。とはいえ概念を理解して慣れてくると、自分が実現できることが増えるし、調べればできそうという予測も立つようになるので、難しいからと言って、苦痛だというわけではありません。

ゲームでも、物語が進むとできることが増えてきて、難易度も徐々に難しくなってくるけど、その方が面白くなってきたりするよね
30代で未経験からITエンジニアになった人は多い?
A:ITエンジニア一筋の人と比べて割合としては少ないですが、未経験転職組は組織のキーマンになっていることが多く、需要はあります。
私の職場には30代の未経験ITエンジニア転職組が何人かいるのですが、皆さん何かしら重要なポジションにいます。
前職での経験とプログラミングを掛け合わせることで他のITエンジニアにはない存在感を出して活躍している人が多いです。特にコミュニケーション能力が必要な場面での活躍が目立ちます。
コミュニケーション能力なら自身があるぞ、という方は自信をもってITエンジニアを目指してみてください。
まとめ:企業が採用時に抱える不安を取り除ければ十分に可能
記事で紹介したポイントを抑えて転職活動を行えば、十分に転職可能です。
実際に採用担当の方に言われたことですが、30代の未経験ITエンジニアには、技術的な面での即戦力的な期待などほとんどしていません。
最低限のITエンジニアとしての適性を証明して、採用側の不安を取り除いたあと、あなたが今までに培った経験による魅力をアピールして内定を勝ち取ってください!
本サイトではITエンジニアとして働くことを目指す方を応援する情報を発信しています。ITエンジニアに興味がわいた方は、他の記事も参考にしてみてください。