「HSPはエンジニアに向いていない?」実は強みになる理由と注意点
- HSP傾向があって働きづらい
- エンジニアを目指そうと思っているが、HSPに向いているのか不安
- 既にエンジニアだが、HSPで日々苦労している
この記事を書いている私自身もHSPです。
HSPはエンジニアに向いていないからやめておけという書き込みもネット上で多くみられます。
でも本当にそうでしょうか。
私は色々な仕事を転々として、35歳でエンジニアに転職しました。私は、HSPの強みを活かせるエンジニアは自分にとって天職だと思っています。
HSPが向いていないとされる理由はなんなのか、どうすればHSPがエンジニアとして活躍できるのか、一緒に考えていきましょう。
この記事を書いた人

名前 / Name
バキ転ねこ
職業 / Occupation
現役システムエンジニア
元公務員、元営業職
実績 / Achievements
35歳で未経験からITエンジニアに転職活動し
内定を3社(うち2社は上場企業)からGET
営業職の時に面接官経験もあり
HSPとは?感受性が高く繊細な気質
HSP(Highly Sensitive Person)とは、日本語では高感受性者と言います。
HSPは、生まれつき神経系が繊細で、感覚器官も鋭敏であるため、音や光、におい、触覚などの刺激につよく反応すると言われています。
コミュニケーションでも色々なことに反応してしまうため、一般よりもストレスになりやすい傾向があります。
- 誰かが怒られていると、自分までつらくなってくる
- ちょっとした物音や、人のちょっとした変化に敏感に気付く
- 過剰に相手にどう思われているかが気になる
私もこのように感じることがあります。
人によってその傾向の強さは違いますが、極端に強いと社会生活で苦労する場面があります。
HSPがエンジニアに向いていない?そういわれる理由5つ
「HSPはエンジニアに向いていない」とよく言われますが、実はその繊細な感受性が、エンジニアという仕事で役立つことも多いのです。
確かに、HSPの特性が仕事の中で難しい場面を生むこともありますが、逆にその部分が強みにもなり得ます。この記事では、HSPがエンジニアに向いていないと言われる理由5つを挙げ、その背景を考えていきます。
意外とコミュニケーションが必要!技術職なのに会話が重要?
ほとんどパソコンに向かっていて、あまりコミュニケーションは必要ないというイメージを持たれていますが、誰かのために仕事をする限り、コミュニケーションが必要ないということはありません。
指示や評価もコミュニケーションです。コミュニケーションを苦手としているエンジニアは多いので、そういった意味では特別不利ではありません。

コミュニケーション不足が事故を起こすこともあるので、実は会話は重要なんだ
クセの強い技術者が多く、人間関係に疲れやすい
技術力が評価されて出世したものの、人格はあまり評判がよくない、という人はエンジニアには多いです。
いわゆるブリリアント・ジャーク(優秀な嫌なヤツ)と言われる人がエンジニア界隈では比較的多く見かけられます。
このような人が職場にいるとHSPでなくても大変です。
HSPの方であれば、一層ストレスを感じてしまい、ストレスに耐えられないことから、「HSPにエンジニアは向いていない」と言われることがあります。

これはHSPがエンジニアに向いているかの話ではなく、ブリリアント・ジャークを放置している職場が悪いね
チャット中心&感情が見えづらく、不安になりやすい
エンジニアの仕事はパソコンとネット環境があれば成立するので、チーム内のコミュニケーションもチャットが中心となります。
エンジニアはただでさえ感情表現が苦手な人が多いです。テキストで行うコミュニケーションでは感情が見えづらいため、相手が喜んでいるのか、怒っているのかもわかりにくいです。
私も「自分が何かしたかな…」といちいち心配してしまいます。

大して何も考えていなくて、気が回らないだけことがほとんどなので、気にしないのがいいよ
完璧を求めすぎて、自分を追い込みがち
エンジニアの仕事は納期に追われていることが多いです。
HSPの人だと「色々なパターンを考えてテストもしてみたけど、まだ何か見落としがあるかも…」と、心配になってなかなか仕事を完了させることができません。
私もすごく気持ちがわかるのですが、それで納期に遅れてしまっては元も子もありません。急いだ結果失敗に終わったとしても、そういうもんだと割り切る心持が必要です。

Done is better than perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ)
という言葉を心にとどめておこう!
トラブル対応がストレスになりやすい
エンジニアは緊急性も重要性も高いトラブルに何度も見舞われます。
自分のちょっとした不注意で色々な人に迷惑をかけてしまったり、損失を出してしまうこともあります。
HSPだと責任を人一倍感じてしまうので、打たれ弱いのならエンジニアには向いていないと言われてしまいがちです。
私も血の気が引くようなトラブルを何度も起こしていますが、実際はそこまでめちゃくちゃに責め立てられることはありません。
なぜなら、大きなミスはみんな何かしらしているからです。トラブルの際は、多くの人が協力的になり、フォローしてくれるので安心してください。
実はエンジニアに向いている!HSPの有利性5つ
HSPはその性質が働きにくい方向に作用する一方で、高い能力を発揮することもたくさんあります。
- 細かいところに気づく
- 深い思考力を持つ
- 集中力が高い
- 創造力が高い
- 高い共感力を持つ
ここからは、HSPの能力を活かせるエンジニアの仕事を見ていきましょう。
コードレビューでバグを見逃さない!細かいところに気づく力
エンジニアの仕事はコードを書くことですが、コードは書けた端から実装するわけではありません。
本当にこのコードで問題がないかを作成者とは違う人が評価する、コードレビューという仕事があります。
作成者とは違う観点から分析し、気が付かなかったリスクを指摘し、修正を加えなければいけません。
HSPの細かいところに気づく力があれば、気が付かなかったリスクを指摘し、修正を加えることで、バグを未然に防ぐことができます。

細かいところまで考えるのは苦手というエンジニアも多いんだ。だから細かく物事を見られる人は頼りにされるよ!
設計や危険予知に役立つ!深い思考力で問題を先回り
コードレビューだけでなく、自分でコードを書く時も、あらゆるイレギュラーを考えて慎重にコードを書かなければいけません。
このように、慎重にコードを書くことで、後々問題になるようなバグを予測し、回避することができます
このように、気を付けておいて余計な仕事を増やさないという能力もエンジニアには必要です。
新しい技術の習得が速い!高い集中力で学習効率アップ
エンジニアはずっと同じ仕事だけをし続けるということはありえません。
常に新しい技術を身に着け続けなければなりません。
- クラウド技術(インターネット上でサービスを提供する技術)
- コンテナ技術(開発環境や運用環境を効率化する技術)
- AI・機械学習(データを分析して予測や自動化を行う技術)
実は歴は長いが新しい技術を身に着けられないベテランエンジニアを抱えていて困っている企業もしばしば見かけます。
高い集中力で新しい技術の習得をどんどんしてくれるエンジニアは色々な職場で重宝されます。

筆者の会社にも新技術の習得に苦しむベテランエンジニアさんは何人もいるよ
潜在ニーズを発見する力!感受性が創造力を引き出す
何かサービスやツールを作る際にまず行うのが要件定義です。
- 解決したい問題は何か
- 問題を解決するのに有効な方法は何か
- 問題を解決するのに必要な条件は何か
このようなことを整理して、設計をしてからコードを書いていくのです。
クライアントから要望を聞きながら要件定義を行うのが常ですが、クライアント自身がやりたいことを整理できていないようなことも多々あります。
クライアントが自分のニーズを明確にできていないとき、HSPの感受性を活かして本当に必要なことを引き出し、適切なソリューションを提案できるのです。
本来は営業とクライアントで話をまとめれたら良いのですが、営業の方は技術のことをすべてわかるわけではないので、中々うまくいきません。
営業と一緒に会議に出席して、クライアントの要望を聞きだす能力があるエンジニアは珍しいので、非常に重宝されます。
共感力がチームワークを強化!相手の気持ちを理解する力
HSPの共感力は、ただ感情的に「わかる」と感じるだけでなく、相手の状況やニーズを敏感に感じ取る力です。この力をチーム内で活かすことで、メンバーの意見や不安を察し、円滑なコミュニケーションを促進することができます。
例えば、リーダーシップを取らなくても、周囲の気持ちに寄り添い、サポートすることで、メンバーが安心して意見を言いやすくなり、チーム全体の士気が高まります。また、誰かが困っているときに、さりげなく助けの手を差し伸べることができ、協力し合う文化が育まれるのです。
HSPの共感力は、表に立つことなく、バックグラウンドでチームを支える力として非常に大きな価値を持っています。逆に言えば、HSPがいることで、みんなが気持ちよく働ける環境が作られ、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながるのです。
HSPでも自分の強みを見つけて活かす方法は?
HSPの人は、周りの意見を気にしすぎて「自分に何が向いているのか」見失いやすい傾向があります。特に私のように35歳での未経験転職では、「自分に合った仕事」を見極めることが重要です。
だからこそ、HSPの人こそ 「自分の強み」を知り、それを活かす働き方 を考えるべきです。
グッドポイント診断(無料)
グッドポイント診断は自分の強みを手軽に知ることができるツールです。
スマホで簡単にできるので、気軽に試せます。
「リクナビNEXT」が運営をしており、質問を答えることで18種類の中から自分の強みを5つ出してくれます。

診断テストを受けたからと言って、リクナビNEXTから連絡がくるわけじゃなので、安心してね!
親密性・慎重性・継続力・感受性・独創性
私の結果を見ると、先ほどのHSPの有利性に当てはまるものが多いですね!苦労は多いですが、これも強みと思って自信を持っています。
無料で20〜30分ほどなので、まず試してみるのがオススメです。
自分の強みを見つけることを勧める理由
- 他人に流されず「自分に合う環境」を選べる
HSPは環境によってパフォーマンスが大きく変わります。強みを知ることで、「自分に合う職場」を見つけやすくなります。 - 未経験転職では「スキル」より「強み」が武器になる
未経験転職では、経験が不足しがち。だからこそ、HSPならではの共感力や細やかさを活かせる仕事を選ぶことが成功のカギになります。 - 他人と比べず、自信を持てるようになる
「この仕事、向いているかも」と思えると、他人と比べる不安が減り、自分の価値を実感できます。
転職では「世間の評価」だけでなく、「自分が心地よく働けるか」も大切。
HSPの人は、自分の強みを知ることで、無理なく続けられる仕事を見つけられます。
あなたの強みを知ることで、理想の働き方が見えてきます。まずは診断を試して、一歩踏み出してみましょう!
HSPに合う職場、向いていない職場
特徴 | HSPに合う職場 | HSPに向いていない職場 |
---|---|---|
環境 | 静かで落ち着いた雰囲気/リモートワークが可能 | オープンスペース/周囲が常に騒がしい |
人間関係 | 少人数/上司の理解がある | 上司や同僚が厳しい、ピリピリした雰囲気 |
働き方 | フレックス/リモート可/個人作業が多い | 厳しい納期/長時間労働/頻繁な会議 |
適した業務内容 | コードレビュー/UIUXデザイン/QA/テクニカルライティング | SRE(運用監視)/サポートエンジニア/客先常駐 |
HSPは働く環境によってパフォーマンスが大きく変わります。特にエンジニアとして転職を考える場合、自分に合った職場を選ぶことが重要です。
「エンジニアならどこでも同じ?」と思うかもしれませんが、職場によって求められる働き方や環境が大きく異なります。
私は前職では耳栓をしながら事務作業をしていました。
今は出勤とリモートワークを自由に選べる会社です。仕事のみに集中できるのでストレスがかからず非常に生産的な働き方ができています。
HSPに自分に合う職場を探す方法
HSPはエンジニアには向いていないということはありません。むしろ、HSPであることを活かせるエンジニアは優秀なエンジニアになることも可能です。
- 静かな環境(orリモートワークができる)
- 客先常駐型ではなく社内SE
例えばこの2点だけでも働きやすい職場をかなり絞ることができるでしょう。
転職エージェントなら職場条件を絞って企業を提案してくれる
このような条件で自分の力で探すのは大変ですので、転職エージェントを利用しましょう。
- 企業と転職希望者のマッチングだけでなく、就職後のフォローやインタビューもして、企業のデータを蓄積している
- 非公開求人も含む、多数の求人から合ったものを吟味して紹介してくれる
- 色々な転職希望者を見てきているので、客観的なアドバイスができる
自分で調べることも大事ですが、転職エージェントならではの強みがあります。
もっと早く相談しておいたらよかったとならないよう、一度無料相談を受けてみることをおすすめします。
最もオススメな2社を紹介しますので、まずは1社から登録してみるのをおすすめします。
特徴 | 社内SE転職ナビ | テックゲート |
---|---|---|
ロゴ | ![]() | ![]() |
年代 | 20~40代 | 20~30代 |
エリア | 関東・関西圏 | 全国 |
得意分野 | 社内SE | 未経験者 |
強み | 求人数が多く、サポートも手厚い | 未経験者に特化していて30代も可 |
※追記予定
あなたに合う職場は必ずある。大丈夫、安心して!
HSPの人はエンジニアに向いているのか向いていないのか、という話はネット上でもよく話題にあがります。
自分の特徴について、ネガティブな面に注目するのではなく、ポジティブな面に注目してみましょう。HSPに向いている理由だっていくらでもあるはずです。
私も「神経質だし、ストレスに弱いし、会社員向いていないな」と思っていました。ところが35歳でITエンジニアになってみて、その感想を聞かれれば、今までした仕事の中でエンジニアが一番好きと答えます。
エンジニアはHSPにとっては良い選択肢です!重要なのは職場です。自分に合う職場が見つかるまで、何度でも探し続けましょう!
本サイトではITエンジニアとして働くことを目指す方を応援する情報を発信しています。ITエンジニアに魅力を感じる方は、他の記事も参考にしてみてください。